EVENTS
写真とサイエンス −視野を拡張するビジュアル表現−
2014年10-11月、IMA CONCEPT STOREにて、連続トーク企画を開催します。
主催者:IMA CONCEPT STORE
開催期間:2014年10月13日〜11月6日
御申し込み、詳細はIMA CONCEPT STOREのHPをご覧ください。
http://imaonline.jp/ud/event/54117ee6b31ac94368000001
イベント概要
最先端の天体望遠鏡がとらえた宇宙写真から、顕微鏡が写し出すミクロの世界、またはヒトの脳の中や物理学における高次元の存在まで、科学は私たちの世界をさまざまな角度から照らし出します。未だ解明されぬヒトや世界の謎に科学が迫るとき、そこにはまだ見たことのないイメージが広がっているのかもしれません。
4回にわたってお送りする本企画では、多彩な科学者とアーティストをゲストに迎え、これからの写真やイメージのあり方を科学の視点で読み解いていきます。
【日程・ゲスト】
■第1回:10月13日(月・祝)18:00~20:00
宇宙編「宇宙のランドスケープ」
ゲスト:福士比奈子( 国立天文台 /4D2U)、 小阪淳 (アーティスト)
■第2回:10月23日(木)20:00~22:00
細胞編「ミクロのワンダーランド」
ゲスト:田尾賢太郎(脳科学者)、 高木正勝 (音楽家/映像作家)
■第3回:10月29日(水)20:00~22:00
超次元編「11次元空間は可視化できるか?」
ゲスト: 橋本幸士 (物理学者)、 山口崇司 (映像作家/d.v.d)、
鳴川肇 (建築家)
■第4回:11月6日(木)20:00~22:00
SR(代替現実)編「現実と虚構が交わるイメージ」
ゲスト: 藤井直敬 (脳科学者)、 湯浅政明 (アニメ―ション監督)、
森本晃司 (アニメーション監督)
【プログラム】
■第1回 宇宙編「宇宙のランドスケープ」
いま、最先端の「宇宙写真」はどうなっているのでしょうか。
2011年にチリ・アタカマ高地で観測を始めた国際プロジェクト「アルマ望遠鏡」は、最先端の電波干渉計を用いることで、惑星が誕生する現場や、ビッグバンから10億年後の銀河の姿など、可視光では見えない暗黒の宇宙を写し出すことに成功しています。
この回では、国立天文台の福士比奈子さんを招き、4次元デジタル宇宙ビューワ「Mitaka」で宇宙を階層的に移動しながら,現在進行中のプロジェクトにおいて撮影された最新の宇宙写真を披露していただきます。また、文部科学省のプロジェクト「一家に1枚宇宙図」の制作を続けるアーティストの小阪淳さんと共に、私たちが未だ知りえない宇宙のランドスケープを探求します。
*参考書籍
1) 『宇宙図2013』(小阪淳)
2) 「宇宙の地図」(観山正見、小久保英一郎著)
3) 『Newton別冊_宇宙図』(新改訂第2版)
■第2回 細胞編「ミクロのワンダーランド」
世界をミクロレベルでのぞいてみると、私たちが普段見ている光景とはまったく別のビジュアルがあることに気付かされます。科学者たちが日々顕微鏡を通して見ている景色にも、アートの視点でとらえてみるとき、新鮮な驚きや発見があるかもしれません。
ここでは、脳科学者として脳細胞の動きや状態の可視化を試みる田尾賢太郎さんを招き、細胞が作り出すビジュアルの美しさを解説していただきます。そして、映像作家・音楽家の高木正勝さんを交えて、科学とアートのビジュアルにおける接点を考えます。
*参考書籍
ヴィジュアル版 脳の歴史(カール・シュノーバー 著)
■第3回 超次元編「11次元空間は可視化できるか?」
世界の最小単位を「ひも」と考え、宇宙のはじまりと終わりの謎を解明すると期待される物理学上の仮説「超ひも理論」。ここでは、素粒子物理論を基軸に「この世界は11次元である」という仮説に基づいた研究が進められています。
この超次元空間とは、一体どんな姿をしているのでしょうか。現在、超ひも理論の研究者・橋本幸士先生を中心に、超ひも理論における超次元空間の可視化に近付こうとするアートプロジェクト「 MIMIRPROJECT 」が進行中。このプロジェクトに参加する映像作家の山口崇司さんと、世界地図における新たな表記図法を生んだ「オーサグラフ」の作者であり建築家の鳴川肇さんを迎え、映像と建築という異なる領域の知見から、最先端科学理論のビジュアライズの方法を探ります。
*参考図書
1) 『Powers_of_Ten』 (チャールズ&レイ・イームズ)
*日本版『パワーズ オブ テン―宇宙・人間・素粒子をめぐる大きさの旅』(フィリス・モリソン、フィリップ・モリソン、チャールズ&レイ・イームズ事務所 著/村上陽一郎、公子 訳)
2) 『Newton別冊_次元とは何か』(改訂版)
■第4回 SR(代替現実)編「現実と虚構が交わるイメージ」
SF映画「インセプション」や「マトリックス」のように、
仮想空間を現実と感じてしまう体験が近い未来やってくるかもしれません。
社会性と脳の関わりを研究する脳科学者の藤井直敬先生が開発した
ヘッドマウントディスプレイ「SRシステム」は、カメラを搭載した装置を目元に取り付け、「いま見えている映像」と
「過去に作られた映像」を同時に映し出すことで、虚構と現実の境がわからなくなる新たな体験を創出しています。
こうしたプラットフォームが普及したとき、今後はどんなビジュアル世界が誕生するのでしょうか?
この問いに応じるかのごとく、これまで数々のSFワールドを世に送り出してきたアニメーション監督の湯浅政明さん
と森本晃司さんを交えて、未来のイメージのあり方を描いていきます。
*参考図書
1) 『つながる脳』 (藤井直敬)
2) 『ソーシャルブレインズ入門 〈社会脳〉って何だろう』 (藤井直敬)
3) 『拡張する脳』 (藤井直敬)